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2026.08.15

言霊3

「正解より、その人らしさを選べ。」

介護の仕事をしていると、

「こうした方がいい」
「普通はこうする」
「安全のためには、こっちが正解」

そんな“正解”を考える場面がたくさんある。

もちろん、介護には守らなければならないルールがある。

安全も大切。
健康管理も大切。

でも俺は思う。

介護者にとっての正解が、その人にとっての正解とは限らない。


俺たちが介護しているのは「生活」

例えば、毎朝7時に起きるのが健康的だとする。

でも、その人が昔から朝寝坊で、8時まで寝るのが好きだったら?

みんなと一緒にレクリエーションへ参加することが良いことだとしても、一人で静かに新聞を読むのが好きな人だったら?

食事だってそう。

服装だってそう。

過ごし方だってそう。

人には、それぞれ自分の生活がある。

介護施設に来た瞬間、それまで何十年も続けてきた生き方が消えるわけじゃない。

俺たちが介護しているのは「高齢者」というひとまとめの存在じゃない。

一人の人間の生活や。


「良かれと思って」が、その人らしさを消すこともある

介護では「良かれと思って」が怖い時がある。

危ないから、やめてもらう。

時間がかかるから、代わりにやる。

参加した方がいいから、みんなと同じことをしてもらう。

全部、悪意なんてない。

むしろ相手を思ってやっている。

でも、それを繰り返していったらどうなるか。

その人が自分で決める場面が、少しずつなくなっていく。

俺たちの「良かれ」が、その人の人生を小さくしてはいけない。


介護現場で考えてほしいこと

例えば、利用者さんが服を選んでいる。

職員から見れば、

「今日は寒いから、こっちを着た方がいい」

と思うかもしれない。

そこで勝手に決めるのではなく、

「今日は寒いですよ。どちらにします?」

と聞けばいい。

選ぶのは本人。

もちろん、生命や安全に大きく関わることなら専門職として止める必要もある。

でも、何でもかんでも介護者が決める必要はない。

選べることは、選んでもらう。

この小さな積み重ねが、その人らしい生活につながると俺は思っている。


「みんな同じ」は介護じゃない

同じ時間に起きて。

同じ時間に食べて。

同じレクリエーションをして。

同じように過ごす。

管理する側からすれば、その方が楽かもしれない。

でも、人間は一人ひとり違う。

好きなものも違う。

嫌いなものも違う。

人生も違う。

性格も違う。

だったら介護だって、全員同じでいいはずがない。

その人を知ろうとすることから、個別ケアは始まる。


俺が大切にしたい介護

俺は、

「職員が正しいと思う生活」

を利用者さんにしてもらいたいわけじゃない。

その人が、

「今日も自分らしく過ごせた」

と思える一日を作りたい。

介護者が主役になったらあかん。

俺たちは、その人の人生を横で支える人間。

だから迷った時は、

「介護として正しいか?」

だけじゃなく、

「この人らしいか?」

も考えてほしい。

その視点があるだけで、介護は変わる。


今日の言霊

「正解より、その人らしさを選べ。」

介護者の常識を押しつけるんじゃない。

その人が何を好きで、
何を嫌い、
どう生きてきたのか。

そこを見る。

介護の主役は俺たちじゃない。

最後まで、
その人の人生は、その人のものや。