元介護士が教える介護現場で心がけるべきたった2つの事

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今回インタビューした沢田彩さん(仮名)は、大学の福祉学科卒業後に、グループホームで以前まで働いていた介護士です。

介護の現場で必要な心構えや声かけの具体的な内容まで詳しく話して頂いているので、これから業界を目指している人には参考になるのではないでしょうか?

現役介護士インタビュー

この仕事に就いたきっかけを教えてください。

そもそものきっかけは、中学二年生の時に父方の祖父が亡くなった事でした。

状態が危ないと聞いて家族で駆け付けた際、私は思わず祖父の手を握りました。
その時、少しばかりですが祖父の心拍数が安定したらしいのです。

ほどなくして祖父は亡くなりましたが、その時漠然と「人を支える仕事がしたい」と思いました。

その後、大学進学の際も自然と福祉学科を選び、社会福祉士養成の為の実習では高齢者分野を選択し、特別養護老人ホームに実習が決まりました。

社会福祉士養成の実習の為、現場よりも相談員の方について入所面接などに同行し、その合間にフロアで食事介助や話し相手などをさせて頂きました。

お年寄りは昔から大好きですが、実際に現場に出てみた事で、介護を仕事にするのは大変であると身を以て実感しました。

実習を経た後の就職活動では介護業界に行くか悩み決められず、一般企業と介護業界を両方受けました。

しかし面接などをして行く内に、興味がある業界でないと質問にも答えられない現実を目の当たりにしました。悩みましたが、昔から興味のあった介護業界に進む決意をしました。

以前の仕事内容を具体的に教えてください。

グループホームと言う、認知症の高齢者の方々が「一般の住宅で共同生活を送る」と言う形態の施設で働いていました。

仕事内容は、排泄介助・オムツ交換・食事介助・入浴介助など、ご利用者様の生活に関わる介助全般を行っていました。シフトは日勤と夜勤の二形態でした。

入社した会社は新卒の大学生を採用するのは私が初めてだったらしく、他の正社員の方々は施設長やグループ長など、役職がついている方のみでした。
正社員として、入社してほどなくして朝夕の申し送りの進行やオムツの在庫管理などの、施設運営に関わる業務もしていました。

グループホームで働いてみた感想は?

グループホームは大学時代の実習で行った特別養護老人ホームとは違い、ワンフロア10人程度の少人数制でした。その分、ご利用者様との距離も近かった様に思います。

「一般の住宅で共同生活を送る」と言う形態の為、なるべくご自宅と近い環境で生活をして頂くのが理想の形です。その為、自立しているご利用者様には食事の手伝いをして貰ったり、洗濯物を畳んで頂いたりしました。

しかし、スタッフ数が足りず、なかなかご利用者様一人一人をケアする事は難しいのが現状でした。

私が働いていた当時は大規模なレク活動もなかなか出来ず、春にお花見、冬にクリスマス会などの季節行事、またカラオケ会などを一ヶ月に一回やる程度でした。

散歩に行ける方を募って日中散歩に行くなどはしていましたが、限られた時間やスタッフ数の中では、「やりたい事」と「やれる事」にギャップがあった様に思います。

働いている当時、資格は活かされていましたか?

ホームヘルパー2級、社会福祉主事任用資格、社会福祉士を取得しました。

ホームヘルパー2級を取得する事が入社の条件でしたので、入社後、日曜日だけ希望休を出させて頂き、資格の講座に通いました。同じ教室に10人ほど生徒の方がいましたが、実際に介護の仕事に就いていたのは私のみでした。

座学で「心構え」などを学び、実技で食事介助やオ交換、シーツ交換や洗髪などを学びましたが、ベッドメイクの様なシーツ交換の方法は実際に現場でした事はありませんでした。

現場では体位交換などでシーツが動く事が多く、交換が楽なシーツが多かった様に思います。

実技面で現場との違いに戸惑う事もありましたが、実習で他の施設に行く事で自分の勤務先との比較も出来て良い勉強になりました。

社会福祉主事任用資格は、大学卒業と同時に取得しました。介護職を退職した後に勤務していた福祉系の仕事で、入社の条件として掲げられていた資格でした。

社会福祉士を養成する大学でしたので受験資格はありましたが、入社前に既に二回試験に落ちていました。

入社後一回試験に挑戦しましたが不合格となり、入社してから二年目に、四度目の挑戦でようやく取得する事が出来ました。大学受験並に苦労した試験だった様に思います。

介護業界で仕事をしていてをやってよかったと思う事はありますか?

やはりご利用者様の「ありがとう」と言う言葉と、笑顔です。
夜勤でどんなに疲れていても、「こんな夜中まで大変だね、ありがとう」と言われると疲れも吹き飛びました。

接し方が分からず、ずっと苦手意識を持っていたご利用者様が、私が休みの日に「あの眼鏡の子(私の事です)は今日いないの?」と他のスタッフに言っていたと聞いた時、本当に嬉しくなりました。

また、徘徊や問題行動が酷くて対応に困っていたご利用者様が、夜勤中に「今日は冷えるからこれを掛けなさい」とご自分の毛布を持ってきて下さった時は涙が出そうになりました。

身体的・精神的に本当に疲れますが、その分やり甲斐があるのが介護職です。

ご利用者様からの反応を直接見る事が出来るのもやる気に繋がりました。

逆に困った事や大変な事を教えてください

暴力や、暴言があるご利用者様への対応が一番困りました。

他のご利用者様へその被害が及ぶのが一番怖いですが、自分自身が夜勤時に一人で居室に入る時など、本当に怖かったです。

自分よりも身長が遥かに高い男性のご利用者様の暴力が酷い時期は、夜勤に入る度に怯えていました。

排泄介助や食事介助など、全部を介助しなくてはいけない方よりも、問題行動やすぐに癇癪を起こしてしまうご利用者様の対応の方が大変だった様に思います。

他にも、夜間に徘徊を起こすご利用者様は多く、スタッフが他の方の介助に入っている際に問題行動を起こす方など、夜間帯の対応はフロア内に自分一人しかいないので大変でした。

スタッフが足りない事で、事故に繋がる様な事は多々ありました。

グループホームは、より家庭に近い生活と言う事で食事をスタッフが作っていました。
スタッフが足りない時間帯は揚げ物をしながら転倒の危険性がある利用者様の元へ駆け寄り、ホッとしたのも束の間、今度は高温の鍋に近づくご利用者様の元へ駆け寄る…なんて事も日常茶飯事でした。

転倒や事故のリスクを常に考えながらフロアに出ていた様に思います。

介護の仕事をする上で心がけてるべき事はなんでしょう?

「ご利用者様の立場に立つ」事であると思います。それには二つ事例があります。

まず一つ目です。

大学の実習時代、「食事介助」のモデル役を体験した事がありました。

その際、「やってはいけない例」として、「無言で食事を口に入れる」「一度で多量に口に運ぶ」事などを実践していたのですが、何が口に入って来るのか、いつ入ってくるのか分からない状態で食事が口に入って来るのは本当に怖かったです。

ましてや高齢の方は目が悪いので、目視で食事の内容が分かる方は少ないはずです。また、嚥下や咀嚼力が低下している方に食事を多量に口に運ぶと、誤嚥や窒息に繋がります。

その為、その日から私は「野菜の煮物ですよ」「お魚ですよ」となるべくメニューを説明しました。

また一回に食べて頂く量に関しては、私達が食べる量よりも少なめにスプーン等にすくう事などを心がけて食事介助を行う様にしました。

二つ目です。

耳が遠いご利用者様が多く、「お食事なさいますか?」等の、丁寧過ぎる言葉はご利用者様が聞き取れない事が多々ありました。その為、「ご飯食べますか?」などの分かりやすい言葉の方が通じやすいのです。

介護の現場が長くなるとご利用者様に無意識的に「タメ口」を聞いてしまう傾向があります。確かにご利用者様もその方が聞き取りやすい様で、それが習慣になってしまいます。

しかし「自分の孫の様な世代からタメ口を聞かれて、ご利用者様は果たして嬉しいだろうか?」と考えた事がありました。
私達だって、かなり年下の子に最初からタメ口を聞かれたらムッとすると思います。

勿論タメ語が一番通じやすいご利用者様もいましたが、「自分がその立場に立ったらどう思うだろうか」と自分に問いかけて、なるべく丁寧な対応を心がける様にしていました。
 

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