老人保険施設で働く50代女性の介護福祉士に聞いた介護の仕事の魅力

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

今川靖子さん(仮名)は老人保険施設で働くキャリア25年の介護福祉士です。

今回は介護の仕事のやりがいや大変さ、魅力などをインタビューで答えていただきました。

これから介護の仕事を目指す、興味が有る方にはきっと参考になると思います。

 

現役介護士インタビュー

この仕事に就いたきっかけを教えてください

25年程前、嫁ぎ先の祖母が認知症になりました。

商売をしていた為家に置いて置けず病院に入院していましたが、限界になり当時はまだ珍しかった老人施設に入所しました。
その時初めて介護士という職業を知りました。

まだまだ、家政婦さんが主流の時代だったので若い男性職員が働く姿が衝撃でした。
身内でもないお年寄りの世話をはつらつとやっているこの人達に頭の下がる思いでした。

それから15年後に仕事を探していたとき、新聞の折り込み求人に介護士をたくさん募集しているのを見て、祖母を思い出し自分がそこで働いている姿をイメージできたので挑戦してみようと思い、この業界に入りました。

 

資格をとるのは大変でしたか?

介護福祉士の筆記試験は、40才過ぎていたせいか中々、頭に入ってこなくて覚えるのが大変でした。

学生の頃に習ったような心臓の働きなども全く覚えてなく、全てゼロからの勉強でした。

実技試験は、過去のビデオをセリフを全て覚えるくらい何回も見ました。

車椅子からベッドへの移乗等、日々やっているような動作は不安が無かったのですが、基本的なシーツの三角折りやベッド上での浴衣の更衣などは何年も前にやっただけで自信が無いので家族に協力してもらい練習しました。

また、麻痺がどの部位なのかいろいろ想定して何度もシュミレーションし、残存能力が活かすということを頭に置いて練習しました。

 

現在の仕事内容を具体的に教えてください

現在の仕事内容は、老人保険施設でフルタイムで働いています。

特に役職についていないので、利用者の食事介助、排泄、入浴、就寝等の日常のお世話を早番、日勤、遅番、夜勤というシフトの中で行っています。

たまに、レクレーションとしてボール投げや歌の会、夏祭りの屋台などもやります。

また、天気の良い日は屋上に散歩に行ったり桜の時期には花見に少人数ずつ連れて行ったりします。

その他は日常の中での出来事、臀部に剥離があったとか他利用者の分のオヤツを食べてしまった等の記録をパソコンに入力することです。

 

現在の職場で介護福祉士の資格は活かされていますか?

資格が活かされているか?というと、試験の為に勉強したことでこうだからそうなったと理由付けして仕事ができると言う事、9割の職員が持っている資格なので、お給料に反映されている事です。

この仕事は、経験が大切なように思います。

急性期の病院で働いていたこともあるのですが、その時にたくさんの亡くなる患者さんやいろんな皮膚疾患、身体が衰弱していると驚くようなスピードで褥瘡が出来る事などの経験が今、活きていると感じます。

日常の些細な変化、食事の摂取状態の変化、排泄の変化等を見逃さないことが、大切なことのように思います。

 

仕事をする上で心がけている事はなんですか?

日々、事故を起こさないことを一番に思って仕事をしています。

例えば利用者が転倒するとその利用者は怪我や骨折をして大変な事になりますが、側にい た職員もなぜその事故を防げなかったのかと精神的にダメージを受けてこの仕事が辛くなります。

少人数でたくさんの利用者を見ているのですから、事故が無い方が不思議ですが出来るだけ未然に防ぐ様にしています。

後はどの利用者に対してもいつも同じ態度で接する様に心掛けています。
忙しいからといつもと違う態 度をすると冷たくされたと思う利用者もいらっしゃる為、気をつけています。

その様なことを踏まえて明るく元気に利用者と向き合うようにしています。

 

この仕事をやってよかったと思う事はありますか?

初めてこの業界に入って、ある男性の入浴介助をしていた時、ふと見た背中にその人の人生が見えた瞬間がありました。

80年間の出来事、家族の事、仕事 の事、一生懸命に生きてきたであろうその人は今何を思ってここにいるんだろう?なぜか泣きたい気持ちになりました。

その人生の最後に深く関わるこの仕事の持つ意味は甘くないなと。

ただ「この仕事って良い仕事だな」としみじみ思った記憶があります。
今もなんでもない利用者との会話に、その人の人生が見える瞬 間や在宅復帰が叶うかわからないのに、リハビリを90歳過ぎているのに懸命にやってる人を見ると心が震えるときがあります。

 

逆に困った事や大変な事を教えてください

暴力的な人や暴言がひどい人は心が折れそうになることがあります。

夜間にオムツ交換に入ろうと声を掛け、掛け布団を取った瞬間にお腹を蹴られて尻もちをつ いたことがあります。

利用者も大切ですが、自分が怪我をして業務がストップしてはいけないと思い以後、その利用者の対応は気をつけるようにしました。

また、延々と暴言を言い続ける利用者がたまにいるのですが、対応が難しく病気がそうさせているのは理解しているのですが余りに酷いと辛く感じます。

 

これからの目標などありましたら教えてください

目標と言うか夢ですが、海外で介護の仕事をしてみたいなと思っています。

単純に海外の介護を知りたいのと、何人か外国の利用者と関わったことがあるのですが、上手くコミュニケーションがとれず残念な思いをした経験があるからです。

ある外国の利用者はフレンチトーストのレシピを持ってきたのに、味が違うと悲しく話されていました。

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*